超音波治療とは?
【超音波と超音波治療の概要】 |
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「超音波」は、「人間の耳には聞こえない高い周波数の音」です。超音波治療は、筋肉、腱、靭帯、関節を柔らかくし、痛みを緩和したり可動域を改善します。また1秒間に数百万回という超高速振動が細胞を活性化し、ケガの回復を早める効果も期待できます(効果の詳細は後述)。
【超音波治療のメリット】 |
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◎ほぼ無痛であり、不快感が少ないこと
◎体表から約6cmの深部までアプローチ可能であること
◎筋肉だけではなく、腱・靭帯・関節にも効果を見込めること
◎コリなどの慢性症状だけでは無く、打撲・捻挫・肉離れなどケガの早期回復にも期待できること
マッサージであれ鍼であれ、コリをしっかり解すためにはそれなりの刺激は避けられませんが、超音波治療は不快感なくほぐせるのが一番のメリットではないかと思います。しかしながら、あまりにも刺激が小さいため、照射中に患者さんから「効いている感じがしない」とか「本当に効果があるのか?」と言われることもあります。実際、鍼の効果に絶大な信頼を寄せている方、鍼の響きが好きな方は超音波の効果に疑いを持つ方が多いです。また、科学的な治療法であるにも関わらず、なぜか理系職のかたや理系の学歴を持つ方にも疑いを持たれることが多い治療法でもあります。
【超音波治療は効果があるのか?】 |
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超音波治療器は、多くの整形外科や整骨院で導入されていますが、当院の患者様で「他院で効果を感じた」という方はほとんどおりません。ゼロと言ってもよいくらいです。そのため、超音波治療は「効果のないもの」と認識されています。しかし、超音波治療はメジャーリーガーの大谷選手をはじめ、オリンピック選手など多くの一流アスリートが採用しており、その有効性に疑いの余地はありません。患者様の多くが他院で効果を感じられなかった理由は、超音波治療器の出力、周波数、照射時間、照射方法などが適切でなかった可能性があります。超音波治療器は一見すると、体に当てるだけで誰が施術しても同じように見えるかもしれません。しかし、治療機器の中でも施術者のスキル・ノウハウにかなり依存すると言われており、患者様一人ひとりに合わせた機器の設定や照射方法の調整が必要になります。
【効果について】 |
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超音波治療の効果は、温熱効果と非温熱効果の2つに分類されます。
▪️温熱効果とは
その名の通り体を温める効果です。温めることで血流が改善され、筋肉や関節などの組織が柔らかくなり、痛みを和らげます。関節の場合は可動域の改善も期待できます。主に慢性症状に使用されます。
▪️非温熱効果(音圧効果)とは
温めずに得られる効果です。1秒間に100万回または300万回という超高速の振動が体内に伝播し、細胞レベルでマッサージを行うことで細胞が活性化されます。これにより、ケガの早期回復やむくみの軽減などが期待できます。主に急性期の症状(打撲、捻挫、肉離れなど)に使用されます。
【超音波治療器について】 |
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超音波は音の一種ですから真空中では伝わりません。宇宙空間で音が聞こえないと言えば分かりやすいと思います。そのため、空気や水など、音を伝える媒体が必要になるのですが、普通の音と違って空気よりも水や金属の方がよく伝わる性質を持っています。そのため超音波治療器ではプローブと体の間に水分を沢山含んだジェルを使用します。
超音波治療器の多くは、1MHzと3MHzという二種類の周波数を搭載しています。1MHzは1秒間に100万回、3MHzは300万回という超高速振動を発生させます。1MHzは体の深部に届かせることが可能で、3MHzは浅い部に効果的に届きます。当院で使用している機器は、1MHzと3MHzを自動で交互に切り替えながら照射できる機能も持っていますので、浅部と深部の両方、広範囲に照射したい場合などに使用します。1MHzと3MHzを手動で切り替えて照射し直しする必要がないため、施術時間の短縮に役立っています。

【それでも超音波治療が信じられない方へ】 |
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言葉ではなかなか伝わらない部分がありますので、画像と動画を使って説明いたします。
超音波治療は何も感じないけど本当に効果があるのか?という疑問をお持ちのかた向けに、体内に超音波が伝わっている様子の動画を作成しました。しかし、超音波治療器と超音波エコーが干渉すると故障の可能性があるため、リアルタイムにコリが解れていく状況をお見せすることは難しく、施術前と施術後の状態は下の静止画の方でご確認ください。