HOME | 慢性腰痛・ぎっくり腰

腰痛・ぎっくり腰の鍼治療は西東京市田無の当院へ

治療対象となる腰痛

〓 ぎっくり腰(急性腰痛) 
ぎっくり腰は、一般的には椎間関節の捻挫であるとか脊柱起立筋の炎症、椎間板の障害などと言われていますが、実際には大腰筋の痙攣(けいれん)によるものが多いため、ここでは大腰筋タイプについて説明します。
 
大腰筋は腸骨筋と合わせて腸腰筋とも呼ばれるインナーマッスル(深層筋)であり、横隔膜に接しているため咳やくしゃみで発症してしまうこともあります。腰椎と大腿骨の小転子に付着しており、痙攣により短縮するため前屈みになったまま腰を伸ばすことが困難になります。体の深い部分にあるため手で押しても痛みがなく、動作時の痛みもピンポイントではなく、腰の奥のほうで背骨の直ぐ際か真ん中あたりに痛みを感じます。

大腰筋の画像

 
大腰筋はマッサージでは届きにくい深さにあり、鍼治療でも長い鍼(10cm前後)が必要となります。安全・確実に刺鍼する技術が必要になるため一般的な鍼灸院では大腰筋への刺鍼は行われません。通常、大腰筋刺鍼により1〜2回の治療で大幅に改善しますが、再発しにくい身体にするため更に数回刺鍼しておくことをお奨めします。

ぎっくり腰を何回も繰り返していたり、慢性腰痛を放置していると大腰筋や他の腰周りの筋肉もカチカチに硬くなっていることがあり、そうなってしまうと10回くらい治療が必要な場合もあります。ぎっくり腰を起こす人は慢性腰痛も患っている場合が多く、大腰筋はこの後記載する慢性腰痛にも関わってきます。
 
さてここまで書いておいて何ですが、実はぎっくり腰は西洋医学的には原因がはっきりわかっていません。正確に言う画像検査でわからないものは原因不明になってしまうのです。筋肉の問題は画像に写らないので仕方がありません。

じゃあ大腰筋が原因というのも本当かわからないじゃないか!?と言われそうですが、前屈みになって伸ばせない、咳やくしゃみで痛む、押しても痛く無い、湿布や痛み止めでは治らないという事実から何が原因か推測すると大腰筋に問題があるとするのが一番しっくりきます。事実、大腰筋パターンと鑑別した場合、大腰筋刺鍼を行うとほぼ一回の治療で歩いて帰れるようになりますし、何より私の重度の慢性腰痛・ぎっくり腰は大腰筋刺鍼でしか改善しなかったのです。


〓 慢性腰痛

慢性腰痛も色々なタイプがありますが、代表的なタイプを説明したいと思います。

脊柱起立筋タイプ
背骨の際に沿って存在する縦に長い筋肉です。大腰筋が痙攣した場合は前屈みになったまま後ろに反ることができませんが、脊柱起立筋が悪くなると逆に前屈みになると痛みます。比較的浅い筋肉のため、背骨の際を押すと痛みを感じます。

中・小殿筋タイプ
中殿筋、小殿筋はお尻にある筋肉です。腰痛なのにお尻の筋肉?と思われるかもしれませんが、意外と中殿筋、小殿筋が原因のパターンも少なくありません。腸骨稜といって骨盤の少し上の辺りに出る痛みは中殿筋が原因の場合があります。小殿筋が悪い場合、坐骨神経痛を生じることがあります。中殿筋、小殿筋が痙攣した場合には、体がバナナのようにS時に曲がった状態になります。

小殿筋、中殿筋の画像


 
腰方形筋タイプ
背骨の10cmくらい外側が痛い場合は腰方形筋か腸肋筋が障害されています。体をひねる時、屈んだり反らしても痛みますが、筋肉が薄いため動けないほど痛むことはありません。薄い筋肉のため、鍼は患者様をうつ伏せにしてベッドに水平に、腰を横断するように打ちます。

腰方形筋の画像



大腰筋タイプ
大腰筋が痙攣するとぎっくり腰になりますが、硬くなると慢性腰痛になります。ぎっくり腰になる人は慢性腰痛である場合が多いので、ぎっくり腰の治療で刺してみると大体硬くなっています。硬くなると下肢後面に痛みが出る場合があります。ヘルニアの場合、横になると痛みが緩和されますが、大腰筋由来の下肢痛は夜間や明け方に痛みが出やすいのが特徴です。

条件付きで治療対象としている腰痛

〓 腰椎椎間板ヘルニア
腰椎椎間板ヘルニアの主な症状は慢性的な腰痛と脚の裏側に生じる痛みやしびれです。殿部に痛み(坐骨神経痛の症状)を生じることもあります。殿部、脚の痛みは大抵片側に生じます。

突然強い症状が出ることがあり、ぎっくり腰と間違うことがありますが、ヘルニアの場合は前屈みになると痛み、体を真っ直ぐにしたり横になると楽になります。ぎっくり腰は腰以外の場所に痛みや痺れを起こすことはあまりありませんが、症状が重い場合は太腿にしびれを起こすことがあります。

ヘルニアはCTかMRIで確認できます(レントゲンではヘルニアそのものは写りません)。CTかMRIにヘルニアが写り、かつ症状も出ている場合はいわゆるヘルニアと言えるでしょう。なぜこのようなことを言うかというと

画像ではヘルニアが認められるのに痛みやしびれの症状がない
ヘルニアのような症状があるのに画像ではヘルニアが認められない

といったパターンも多く存在することが分かっており、このことはヘルニアの突出が必ずしも症状を引き起こす訳ではないということを示しています。つまり筋肉が関わっていると考えられるパターンもあると言うことです。

鍼でヘルニアを引っ込めることはできませんので、CTやMRIでヘルニアと認められたパターンでは鍼治療の成績はよくありません。実際、私自身がヘルニアを発症した時に鍼を受けましたが、あまり効果を感じませんでした。

ところが、上述の通り筋肉に問題がある場合やヘルニアと大腰筋の痙攣(つまりぎっくり腰ですね)が同時に起こっているような場合には鍼で症状が改善することもあります。しかし治療してみないと効果があるかわからないため、それでもよろしければという条件付きで同意いただける方には鍼治療を行っています。

また、ヘルニアを放置しておくと慢性的な腰痛に移行する場合もあります。そのようになってしまうと重い腰痛持ちになってしまうことがありますので、そうなる前に定期的に鍼を受けられると重い腰痛やぎっくり腰にもなりにくくなります。

何れにしましても殿部や脚に激しい痛みやしびれを感じる場合は、先ずは病院で診てもらうことをお勧め致します。その上で鍼治療を行うか決めてもよいでしょう。

〓 脊柱管狭窄症
筋肉が原因ではないため鍼で根治はできませんが、しびれや痛み、間欠性跛行の症状を改善できる場合があります。改善があまりみられない場合もあり、治療してみないとわからないというのが正直なところです。そのため、ヘルニア同様それでもよろしければという条件で同意を頂けるかたのみ治療対象としています。まずは週に1回程のペースで3〜4回治療を受けていただき、変化が出てくれば継続、全く変化がない場合は継続するか否かご相談させていただきます。

鍼治療対象外の腰痛

以下のような疾患は鍼治療の対象外です。

〓 腰椎分離症・分離すべり症
スポーツの練習などで腰椎に少しづつ負荷がかかり、亀裂が入って起こります。分離症から始まり分離すべり症に移行すると言われています。腰を反らすと症状が強く出ますが、腰に痛みが出る場合とお尻や太腿に痛みが出る場合があります。鍼で分離症・すべり症そのものを治したり、痛みや痺れを取ることはできません。しかし、患部周辺の硬くなった筋肉や血流を改善する目的として治療を行う場合はあります。
 
〓 腰椎圧迫骨折
骨粗鬆症などによって骨がもろくなり、自重だけで背骨が潰れてしまう場合もあります。骨粗鬆症は高齢の女性に多いため圧迫骨折も高齢女性の割合が多くなります。背骨の骨折の簡易的な確認方法ですが、背骨を軽く拳で叩くと骨に響いたり痛みを生じます。ぎっくり腰の場合は背骨を叩いても痛むことはあまりありません。咳やくしゃみで痛むのはぎっくり腰と似ています。
 
〓 内臓疾患
胆石、胆嚢炎、膵臓炎、尿路結石、腎結石、腎盂腎炎、子宮内膜症などが原因で腰痛を感じる場合があります。激しく痛む場合があり、ぎっくり腰と間違うこともあります。尿路結石などは咳やくしゃみで痛む点もぎっくり腰に似ています。腰以外に肩や背中、みぞおちの部分が痛くなったり、激しい痛みが急に出たり消えたり、発熱、吐き気・嘔吐などがある場合は上記の疾患の可能性があるため病院で診てもらってください。
 
〓 がん
膀胱がん、膵臓がん、大腸がん、子宮がんなどでも腰痛が生じる場合がありますが、極稀なパターンです。
 
〓 心因性
腰痛の多くが心因性であるなどと言われ始めましたが、私にはそう思えません。現代人でストレスの無い人などほとんどいません。心因性の腰痛があったとしても痛くて我慢できないような腰痛が心因性とは考え難く、肉体的に問題があると考えたほうが自然です。大半が心因性なのであれば大半の患者様に鍼は効かないはずです。しかし、実際は逆です。

痛みが長期間続くためストレスを感じたり抑うつ傾向になるというのはありえると思います。また何となく痛い感じがするという症状であれば心因性の可能性も否定できません。当院でも心因性と思われる患者様が皆無ではありませんが、割合としては腰痛患者の数%であり、大部分は筋肉が原因の腰痛です。