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四十肩・五十肩

【はじめに】

四十肩と五十肩は呼び方の違いだけでどちらも同じ意味です。また、四十肩・五十肩は医学用語ではなく、病院では「肩関節周囲炎」や「凍結肩」などの診断名が付きますが、ここでは分かりやすく五十肩で統一して説明致します。

 

五十肩は簡単に言うと「原因がはっきりしないが、肩の痛みや可動域制限がある状態」ですが、肩周辺の筋肉の問題や関節を構成する骨、軟骨、靱帯や腱などの炎症によるものと言われています。

 

老化現象の1つと考えられますが、それならば七十代、八十代と年齢を重ねるほど発症する方が増えるはずです。しかし、名称通り四十代、五十代付近に多いため単純な老化現象とも言えない症状です。

 

四十代、五十代付近に多い理由は、はっきりとは分かっていませんが、更年期によるホルモンバランスの崩れで筋肉のしなやかさが無くなってしまったり、炎症が抑えきれなくなるからではないかという説があります。確かにホルモンの分泌が減少することによる影響と考えると合点がいきます。

 

さて、色々やっても中々良くならない五十肩ですが、鍼灸マッサージでもそれは同じであり、「本当に」五十肩の場合は、鍼灸マッサージはあまり効かないパターンのほうが多いと言えます。「本当に」と書いたのは、五十肩だと思っていても、実は単なる凝りで腕が上がらなくなっていることがあり、その場合は鍼をしなくても少しマッサージをするだけで改善することもあります。

 

髪を結う動作、手の平を背中に回す動作、お尻を拭くような動作に痛みや制限がある場合は、複合的に悪くなっている可能性が高く鍼灸マッサージを行なっても一時的に若干効く程度、または何をやっても効かない時期や状態である可能性が高いのですが、当院ではラジオ波を導入したことで、従来では改善が難しかったパターンでも改善できる例がでてきています。

【五十肩の治療が難しい理由】

五十肩は特定の決まった場所が悪くなるために起きるものではなく、肩周りの筋肉であったり、関節を構成する骨や軟骨、靱帯や腱であったり、関節を包む関節包の問題であったりと、肩周りのどこかに問題が起きるために引き起こされる症状です。そもそも原因がわからない症状を五十肩と言われるのですから、原因が多岐に渡り、鍼灸マッサージではどうにもならない場合もあります。

 

筋肉的な問題であれば鍼灸マッサージの適応ですが、筋肉以外の原因は効果がないか一時的な効果にとどまることが多いです。また、五十肩の病期は「疼痛期(炎症期)」→「拘縮期(凍結期)」→「緩解期(回復期)」と進んでいきますが、拘縮期のあたりで完全に固まってしまったような状態では何をやっても全く効かない事が多いです。しかし、当院ではラジオ波を導入したことで、何も変わらない状態を打破できる可能性があります。

 

それでもラジオ波を使用してさえも効果がでないパターンというのも残念ながら存在します。まずは、1回目の施術では可動域など状態を確認させていただき、改善しやすいパターンか否かを判断致します。単なる凝りの場合は、1回目の施術から可動域が大きく改善します。本当の意味での五十肩の場合は、少し回数がかかります。鍼・マッサージ・ラジオ波を駆使し、まずは3回施術を行います。それでも全く何も変化が無い場合は厳しい状況です。少しでも改善が見られた場合は可能性があります。ですから、まずは3回施術を行い、その時点で施術を継続をするか否か患者様と相談させていたくという流れになります。

【五十肩の症状】

日常生活動作(ADL)における主な症状
・肩を前から上げるときに痛む
・肩を横から上げるときに痛む
・反対側の肩をつかむ(シートベルトを締めるような)動作で痛む
・帯を締めたり、お尻を拭くような動作で痛む
・髪を結んだり、髪を洗うような動作で痛む

五十肩の各病期における主な症状
・疼痛期(炎症期)・・・肩関節周辺に炎症があり、疼痛が強い
・拘縮期(凍結期)・・・炎症や痛みは改善してくるが可動域制限がある
・緩解期(回復期)・・・拘縮が改善し、可動域が増大してくる

その他の症状
・夜間痛

【五十肩はどれくらい続くのか】

数ヶ月から1〜2年というかたが多いのですが、重症の場合は3年以上続くこともあります。

【五十肩に似た疾患・症状】

・腱板断裂

・石灰沈着性腱炎

・肩峰下滑液包炎

・上腕二頭筋腱長頭腱炎

上記のような疾患も広い意味で五十肩と呼ばれることはありますが、レントゲンやMRI、エコー検査などで判断可能なため病気としては分けて考えることが多いようです。鍼の書籍などではこのような疾患も鍼治療の対象として書かれていることがありますが、腱板断裂や石灰沈着を鍼で治すことはできません。できたとしても一時的に痛みを和らげることぐらいでしょう。