症状改善のために
| 鍼に限らず、他の施術でも同様ですが、たとえ施術を受けて症状が改善したとしても、それで再発しないとは限りません。
中には、「一度良くなれば、しばらくは再発しない」と勘違いされている方もいらっしゃいます。しかし、そう単純な話ではありません。
私たちの施術は、皆さんご自身が持つ回復力をサポートし、回復までの時間を短縮する作業と言えます。ですから、「鍼をしたから」、「超音波を当てたから」、「ラジオ波を当てたから」といって、もう再発しないというのは間違いです。たとえ施術の結果が良好だったとしても、再発しやすい姿勢や動作を続けていれば、あっという間に症状が戻ってしまうこともあります。
また、施術後の経過が思わしくない場合でも、「体の使い方」は非常に重要です。というのも、「施術直後は症状が軽快するのに、何度受けてもすぐに戻ってしまう」というケースがあるからです。
そのような方は、日常生活の中で無意識のうちに、体に負担をかける習慣を続けている可能性があります。しかも、ご本人がそれを「体に悪いこと」と認識していない場合もあります。むしろ、体に良いことだと思って行っている習慣が、実は悪影響を及ぼしているというケースもあります。施術の効果が長続きしない場合には、ご自身の普段の行動一つひとつを見直してみることが必要かもしれません。
施術効果をより高め、持続させるためには、患者様ご自身による生活習慣の見直しや日々のケアが不可欠です。そのため、当院からのお願いごとを守っていただくことも大切です。初診時には、治療後に守っていただきたい事項をお渡ししておりますが、特に重要な点について以下にご説明いたします。 |
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| 【施術間隔】 | 施術には費用がかかりますから、患者様としてはできるだけ通院回数を少なくし、施術の間隔も長めに取りたいと思われるのは当然です。しかし、施術初期の段階で間隔を空けすぎてしまうと、せっかくの効果が薄れ、症状が元に戻ってしまうことがあります。
慢性的な症状の場合、最初は週1回程度のペースでご来院いただき、症状が落ち着いてきたら徐々に間隔を延ばしていくのが理想的です。このように進めていくことで、結果的に改善までの時間も短縮され、費用の負担も少なくなるのです。
「そんなに頻繁に通わなきゃいけないんですか?」という声が聞こえてきそうですが、少し考えてみてください。何ヶ月、あるいは何年も改善しなかった症状が、他の治療院や病院でもなかなか良くならなかったのに、鍼灸だから、当院だからといって、すぐに劇的に良くなるというのは、少々都合が良すぎると思いませんか?
ケガや病気で病院を受診しても、最初のうちは「週に1度は通ってください」と言われることが多いですよね。鍼灸も同じです。当院は決して回数を増やして儲けたいわけではありません。
適切な施術間隔を守らなければ、改善への道のりが長くなってしまうのです。もちろん、鍼灸は健康保険の対象外であることが多く、当院も自費診療となりますので、その点については申し訳なく思っております。
そのため、無理に通院を促すことはいたしません。本当に改善したいと願う方にこそ、必要な施術間隔を守っていただくことが大切だと考えています。
また、痛みやしびれなどの症状が一時的に消えると、「もう治った」と思い、突然通院をやめてしまう方がいらっしゃいます。しかし多くの場合、根本原因が完全には取りきれていないことがほとんどです。
そのような方は、しばらくすると再発してしまうことがよくあります。再発しにくい身体をつくるためには、「トドメの施術」を数回行い、さらにその後も定期的なメンテナンスを受けていただくことをおすすめします。
メンテナンスを行わず、施術の間隔が空きすぎてしまうと、状態が再び悪化し、鍼の刺激を強く感じてしまうことがあります。一度ある程度まで改善した後は、その方に合ったペースでメンテナンスを続けることで、鍼の刺激も穏やかに感じられるようになっていきます。 |
| 【適度な運動】 | 運動は、やり過ぎても、全くやらなくても良くありません。当院にも、年齢に見合わない運動量や方法を続けた結果、かえって体を壊してしまったという年配の方が時折いらっしゃいます。
テレビや雑誌、フィットネスクラブなどの情報の影響で、「たくさん運動しないと寝たきりになってしまう」「筋力が落ちると将来大変になる」といった不安を煽られることもありますが、体力づくりのつもりで体を壊してしまっては本末転倒です。
実際、私がこれまで関わってきた患者様の中で、某フィットネスクラブに通われている方のほとんどが、何らかの身体トラブルを抱えていました。詳しくお話を伺うと、フィットネスクラブでの運動量や運動方法に問題があるケースが多く見受けられました。
また、60歳以上の方で、1〜2時間のウォーキングを毎日行ったり、腹筋などの筋トレを何十回、何百回と繰り返している方もいらっしゃいます。その結果、筋力は確かについてきても、膝や足を痛めたり、腰痛を発症しているケースが非常に多いのが実情です。
なお、ウォーキングに関しては、40歳以上の方であれば「1日8000歩・20分程度」が適切とされるデータがあります。過度な運動を無理に行う必要はありません。 → 「1日1万歩で健康になる」は大きなウソだった
逆に、若い頃から運動をしてこなかった方が、突然無理をして運動を始めることで、体が対応できずケガや不調を起こすことも少なくありません。さらに、一度始めた運動習慣はなかなかやめられないようで、運動量を減らすようお願いしても実行に移せず、体が回復しないケースも多々見られます。このような場合、治療を行っても効果が出にくくなってしまいます。
やはり、「改善」を優先するのであれば、過度な運動は一時的にでも控えていただく必要があります。ご自身の体の状態に合った運動量・内容を見直し、無理のない範囲で継続することが、健康への近道です。 |
| 【姿勢】 | いくら治療を行っても姿勢が悪いとたちまち元に戻ってしまいます。特に首の治療をされた方はケアが大切です。 |