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坐骨神経痛

【概要】

坐骨神経痛は疾患名ではなく、熱があるとか頭痛がするなどと同じように症状を表す名前です。そのため坐骨神経痛を起こす原因となる疾患が存在し、その原因によって鍼が効くか効かないか分かれます。鍼で効果を期待できるのは筋肉に問題がある場合となります

【鍼の適応原因と不適応原因】

鍼の適応原因
・梨状筋症候群
・大腰筋の硬化、痙攣(けいれん)
・小・中殿筋の硬化
など筋肉に問題があるパターン。

×鍼の不適応原因
・椎間板ヘルニア
・脊柱管狭窄症
・腰椎分離症、分離すべり症
・骨粗しょう症
・子宮筋腫、卵巣嚢腫
・妊娠
上記疾患は筋肉の問題ではないため鍼で改善させることは難しい。特に骨に問題がある場合や腫瘍に関しては不適応である。ただし、ヘルニア、脊柱管狭窄症、分離症・分離滑り症に関しては、そのように診断されても痛みや痺れの原因がその疾患とは別に筋肉的な問題として存在する場合がある。そのようなパターンでは疾患そのものを改善させる事はできないが、痛みや痺れを改善できる場合がある。妊娠は病気ではないので鍼は不適応。出産が終わると症状が改善する。

【症状】

坐骨神経は腰の付近からお尻を通り、膝裏上方で枝分かれしてふくらはぎ後面〜足底、ふくらはぎ外側から爪先まで続く長い神経です。お尻から下肢全体に症状が現れる場合もあれば部分的な場合もあります。

坐骨神経痛に似た症状として外側大腿皮神経痛、大腿神経痛などがあります。坐骨神経痛との大まかな見分け方ですが、坐骨神経痛はお尻や下肢の後面(膝から下の部分ではふくらはぎ後面の場合もあれば外側から前面に症状が現れることもあります)、外側大腿皮神経痛はお尻〜太ももの外側、大腿神経痛は太腿の前側に症状がでやすい特徴があります。しかし、神経の走行は人によって異なるためこの通りではない場合もあります。

【坐骨神経痛の鍼治療の傾向】

当院においては40代〜50代くらいまでは1回〜数回の治療で症状が改善するパターンが少なくありません。しかし、60代以降になると鍼の適応パターンであっても施術回数が多くなる傾向があります。理由は、回復力の衰えや筋肉の萎縮・硬化などが進んでいる場合があること、坐骨神経痛の原因が脊柱管狭窄症や骨粗しょう症など鍼では改善しにくい原因によって引き起こされる割合が多くなること、高齢になると複数の疾患を抱えることが多くなり、痛みや痺れの原因が1つではなくなる事なども理由として考えられます。

当院で60代以降のかたで改善が見られるのは半数程度です。半分改善するなら少なく無いと言う見方もありますが、他の年代に比べると少ないですし、60代以降は症状が完全に取れず、何割かは残ってしまうことが多いのも特徴です。残りの半数のかたは、鍼治療をおこなっても殆ど変化がなかったり、途中で治療をやめてしまった方々です。しかし、その中には自ら改善の機会を逃している方もいらっしゃいます。大体次のパターンに分かれます。

【1】過度な運動をされているかた
ご自身では過度な運動と思っていないかたが多いのですが、長時間のウォーキングや腹筋などの筋トレを何十回もされているかた、フィットネスクラブで体に合わないハードなメニューを行なっているかたは改善しません。場合によっては悪化することもあります。鍼治療中は過剰な運動をセーブし、改善後も運動し過ぎないようにしなければいくら治療を行っても改善しません。

【2】鍼治療で出現する痛みの理由をご理解いただけないかた
坐骨神経痛に限らず比較的症状が重い場合、鍼治療の後、一時的に痛みが増強する場合があります。しかし、当院で痛みが増強した場合、治る過程の反応であると考えてください(ただし筋肉が原因の場合に限ります)。治療開始前に説明させていただくのですが、実際に痛みがでてしまうと「鍼で悪くなった」と感じてしまい、治療をやめてしまうかたがいらっしゃいます。一時的にかなり痛みが増すこともあるためそう思われても仕方がないのですが、ここで止めてしまうと治らずに終わってしまいます。

痛みが増強しても来院される方の多くは、その後良好な結果となっていますので、痛みが出た場合はもう少し治療を続けていただきたいと思います。増強するのは1日の場合もあれば1週間くらい続く場合もあります。1週間程度痛みが長く続く場合は、長患いで症状が重い場合が多いです。大抵、痛みが増強している間にもう一度鍼を行うと改善しますが、非常に症状が重い場合は稀に治療開始前より増強した感じが暫く続く場合があります。