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四十肩・五十肩

【はじめに】

四十肩と五十肩は呼び方の違いだけでどちらも同じ意味です。また、四十肩・五十肩は医学用語ではなく、病院では「肩関節周囲炎」や「凍結肩」などの診断名が付きますが、ここでは五十肩で統一して説明致します。

 

五十肩は簡単に言うと「原因がはっきりしないが、肩の痛みや可動域制限がある状態」ですが、肩周辺の筋肉の問題や関節を構成する骨、軟骨、靱帯や腱などの炎症によるものがあると考えられます。

 

全ての五十肩で鍼灸マッサージが有効な訳ではありません。むしろ鍼灸マッサージが非常によく効くパターンは少ないと思われます。当院では腕を前方から上げにくい症状、反対の肩を掴みにくい症状、またはその両方の症状がある場合のみ施術対象と致します。

 

髪を結う動作、手の平を背中に回す動作、お尻を拭くような動作に痛みや制限がある場合は施術対象外とさせていただきますのでご了承ください。

【五十肩の治療が難しい理由】

「はじめに」でも記載した通り、五十肩とは原因がはっきりしない場合につく診断です。原因がわからなければどのように治療すればよいのかもわかりません。ですから、痛む部位や制限のある動作から原因を予測して対応するのですが、同じような症状でも原因が異なることがあるため予測が外れることもあります。

 

予測が当たったとしてもそれが鍼灸マッサージの適用かは別の問題です。筋肉的な問題であれば適用ですが、そうでない場合は難しいと思われます。また、五十肩の病期は「疼痛期(炎症期)」→「拘縮期(凍結期)」→「緩解期(回復期)」と進んでいきますが、拘縮期のあたりでは何をやっても全く効かない場合もあります。

鍼灸マッサージが効果的か否かは簡単に判別できるものではなく施術をしてみないとわかりません。しかし、効果がある場合早ければ1回目の施術から可動域が大きく改善します。マッサージだけでも大幅に改善することがありますので、その場合はマッサージメインで鍼は補助的に行います。しかし、2、3回施術を行っても殆ど変化が無かったり、元に戻ってしまう場合は治療を継続しても短期的にはあまり変化が無いことが多いです。

【五十肩の症状】

日常生活動作(ADL)における主な症状
・肩を前から上げるときに痛む
・肩を横から上げるときに痛む
・反対側の肩をつかむ(シートベルトを締めるような)動作で痛む
・帯を締めたり、お尻を拭くような動作で痛む
・髪を結んだり、髪を洗うような動作で痛む

五十肩の各病期における主な症状
・疼痛期(炎症期)・・・肩関節周辺に炎症があり、疼痛が強い
・拘縮期(凍結期)・・・炎症や痛みは改善してくるが可動域制限がある
・緩解期(回復期)・・・拘縮が改善し、可動域が増大してくる

その他の症状
・夜間痛

【五十肩はどれくらい続くのか】

数ヶ月から1〜2年というかたが多いのですが、重症の場合は3年以上続くこともあります。

【五十肩に似た疾患・症状】

・腱板断裂

・石灰沈着性腱炎

・肩峰下滑液包炎

・上腕二頭筋腱長頭腱炎

上記のような疾患も広い意味で五十肩と呼ばれることはありますが、レントゲンやMRI、エコー検査などで判断可能なため病気としては分けて考えることが多いようです。鍼の書籍などではこのような疾患も鍼治療の対象として書かれていることがありますが、腱板断裂や石灰沈着を鍼で治すことはできません。できたとしても一時的に痛みを和らげることぐらいでしょう。