HOME | 治すために

治すために

当院の鍼は患者様自身が「本気で治す」という覚悟がないと続けられない治療法であることは「当院の鍼治療を受ける前に」でも記載した通りです。
 
鍼治療の出番というのは、「病院 → 整骨院 → 整体 → 鍼灸院」と途中の順番は変わるかもしれませんが、大抵一番最後になります。痛み止めの湿布・薬、電気治療、マッサージ・・・どれも苦痛を伴わない治療ですが、あまり改善しない。だから鍼治療をやってみようと思うかたが沢山いらっしゃいます。

鍼治療を選択した時点で、ある程度「鍼は痛いだろうな」という覚悟はできているはずです。それでもなるべく痛くないほうに逃げたいのが人情。「優しく痛みのない鍼灸院」を探してしまいます。しかし、もう一度考えてみましょう。

 

症状として痛みがあるのに治療で痛みなく改善させるというのは薬でもない限り難しいものです。マッサージだって凝っている部分を揉んでもらうと痛みを感じますよね?鍼だって同じです。痛くない鍼というのは、凝りのある部分に到達していないか、そもそも悪くない部分のどちらかです。

 

今まで痛みを伴わない治療を色々やってきてダメだったのであれば、痛みを伴っても効果のある治療法を試してみるしかありません。鍼は最後の手段なのですから多少の我慢は必要です。何でも改善、改革するには痛みを伴うのです。

散々鍼は痛いと脅していますが、症状が軽ければ心地良いと感じる人もいます。中程度だと「ズーン」と響く感じです。症状が重いと痛みになってしまいます。しかし、痛みの感じ方は人それぞれですから、意外と大丈夫という人もいます。こればかりはやってみないとわかりません。

「先生、お手柔らかに願いします!」と言われることがあります。
お気持ちはわかりますが、「優しい鍼」「痛くない鍼」を望むのであれば当院を選んでいただいた意味がありません。当院は痛くても治すための治療院です。もちろん不必要な痛みは与えないようにしますし、初めての方にはゆっくり丁寧に刺鍼していきますが、治療効果を得るために必要な響き・痛みをなくすことはできません。

治療だけすればそれで終わりでもありません。鍼灸マッサージは体を改善するためのお手伝いです。良い状態を維持したり、更に改善するためには患者様自身の生活習慣の見直しやケアが不可欠です。

そのためには当院からのお願いを守って頂くことも大切です。治療後に守っていただきたい事項を初診時にお渡ししておりますが、特に守って頂きたい点を次に説明いたします。

【治療間隔】

料金がかかりますから患者様はできるだけ少ない回数で、治療間隔を長めにしたいと思うでしょうが、治療の初期段階において治療間隔を空けすぎると元の体に戻ってしまいます。

慢性症状の場合、当初は1週間に1回程度の間隔で来院していただき、良くなってきたら間隔を空けていくというのが結果的には治りも早く、お財布にも優しいということになります。

 

そんなに来なくてはいけないのですか!?という声が聞こえてきそうですね。よく考えてみてください。何ヶ月・何年も改善しなかったり、他の治療院や病院に行っても中々良くならなかったのに鍼灸だから・当院だから簡単に良くなるなんて都合が良すぎると思います。ケガや病気で病院に行っても最初のうちは1週間に1度来てくださいと言われることが多くないでしょうか?鍼だって同じです。決して儲けようとしているのではなく、適切な治療間隔でなければ改善への道のりは長くなります。

 

ただ鍼は自費であることが多く、当院も自費となりますのでその点は申し訳ないなと思います。ですから当院では無理に来院させたりはしません。本当に改善させたいと思う方だけ治療間隔を守って頂きます。

痛みや痺れなどの症状が消えると「治った」と思い突然治療を止めてしまうかたがいらっしゃいますが、大抵の場合原因はとりきれていません。そのような方はしばらくすると再発してしまうことがあります。再発し難くすすためにはトドメの治療を数回行い、その後は定期的にメンテナンスに来ていただくことをお奨め致します。

メンテナンスを行わなかったり、間隔が空きすぎるとまた状態が悪くなり鍼の痛みを強く感じます。一度しっかり治療を行いある程度改善した後は、その方に合った間隔でメンテナンスをすると鍼の強い響きを感じることは少なくなります。

【適度な運動】

運動はやり過ぎも良くないですし、全くやらないのも良くありません。当院でも年齢に見合わない運動量や運動方法を行った結果、体を壊してしまう年配のかたが時々いらっしゃいます。

テレビや雑誌、フィットネスクラブなどの影響で、沢山運動しないと寝たきりになってしまうとか、筋力が低下してしまうと脅されるようですが、体力づくりのつもりが体を壊してしまっては元も子もありません。

私が今まで関わった患者様で某フィットネスクラブに通われている方はほぼ全員何かしら体にトラブルを起こしていました。お話しを聞くとフィットネスクラブの運動量、方法に問題があるようです。

また、60歳以上で1時間〜2時間ウォーキングをされたり、腹筋などの筋トレを何十回、何百回とされている方がいらっしゃいますが、このような方々は筋力はついても膝や足を悪くされたり腰痛を発症しているかたが多いです。

ウォーキングに関しては、40歳以上は8000歩/20分で十分というデータが出ています。
→ 「1日1万歩で健康になる」は大きなウソだった
→ 40歳を超えたら、運動は「8,000歩/20分」のウォーキングで十分

若い時から運動を行っている方は、運動できる体になっていますので故障しにくい傾向があるものの、私は大丈夫という過信が過度な運動となり故障につながっているケースがあります。逆に若い時からあまり運動を行っていない方は、運動をする体ではないのに急に頑張ってしまうことで故障することがあります。

しかし、一度始めた習慣は止められないようで、運動量を減らしたり内容を改善するようにお願いしても実行できないため体が回復しません。そのような方は治療を行ってもなかなか効果が現れません。やはり「治す」ということを優先するのであれば過度な運動は控えていただかなければいけません。

【姿勢】

いくら治療を行っても姿勢が悪いとたちまち元に戻ってしまいます。特に首の治療をされた方はケアが大切です。

現代人は仕事でパソコン、仕事以外でもスマホを見るため下を見ている時間が多くなりました。下を見続けていると首の筋肉が緊張し、硬くなってしまいます。首の血流が悪くなると肩凝りの原因にもなります。

長時間のデスクワークの場合は、時々顔を上げて正面を見たり、首を反らすなどして筋肉を休ませてあげてください。ノートパソコンを使っている場合は、下に本などを入れて目線を高くするとよいです。キーボードが使いにくくなるので、外付けのキーボードを使用すると楽に打てます。

腰痛の場合は、座りっぱなし、立ちっぱなしが良くありません。デスクワーク、運転手など座りっぱなしの仕事は最低でも1時間に1回は立ち上がって少し歩いたりストレッチをしてください。理美容師や歯科医など立ちっぱなしや前屈みになる職業の方も腰に負担がかかりますので、時々座ったりストレッチをしてください。

腰痛も仕事で同じ姿勢をし続ける方は鍼治療をしても元に戻りやすいです。治すというより、酷くならないように姿勢改善と定期的な鍼治療で身体を維持するということになります。